人々を待たせず、必要なものを迷いなく差し出し、相手の緊張をほどく言葉を選ぶ。癒手の座として積み重ねてきた働きが、初登場から見えます。
一方で、梔子を語る声には甘く重い湿りが混じり、いつもの微笑の奥にも視線の重さが残る。信頼される救済部長と、まだ読み取りきれない一面が同時に置かれた場面です。
初登場紹介|大序章
フェルディナンド
「慈善の午後」
〈芽桃の騎列、苺の安らぎ、梔子の翳〉
芽桃色の長衣を纏う救済部の騎馬列を率い、成人したセラフィナを王都西側の下町へ伴った癒手の座。
穏やかな微笑と無駄のない手つきで薬草や包帯を整え、人々から安堵を引き出します。
「困っている方のところへは、どこへでも参りますよ」と語り、セラフィナの救いへの願いを称える一方、慈愛の奥に、視線の重さや甘い香の湿りがわずかに残る。
救済部長としての信頼と、まだ名づけられない翳が同時に見える初登場です。
慈善の午後の記録
フェルディナンド
物語開始時点|大序章「慈善の午後」
救済部の騎馬列の先頭に立ち、薬草と包帯を手際よく整えながら、下町の人々へ柔らかな声を掛けます。慈善を終えた茶の憩処では、セラフィナが自分の手で人々を支えたことを認め、梔子へ注ぐ愛情について語りました。
この午後に見えたこと
この午後をつなぐもの
慈善の午後
芽桃色の騎馬列救済部西側の下町白の騎乗服ソレイユ苺香薬草と包帯幼子の外套老人の香袋木杯茶の憩処梔子の実白椿名のない木板六角の刻印「また、ぜひ」善蜜香