初登場紹介|大序章

ルセリア

「控えの間」

三儀式告知の典を待つ朝。
大広間へ続く控えの間には、八十名ほどの香姫が集まり、 華やかな声と絹の擦れる音が満ちていました。

香ひらきの翌朝を迎えたセラフィナは、 身の内から滲む苺香をうまく抑えられずにいます。
その揺らぎへ最初に気づいたのが、 忍冬香を宿す友人ルセリアでした。

時 椿静月一日
梅光陽(七刻半)
場所 王都アストリア 神殿島
第三姫寮環 大広間・控えの間

香姫寮環の記録

ルセリア

物語開始時点|大序章「控えの間」

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ルセリアは距離を保ってセラフィナの名を呼び、 すぐに香を重ねることはしません。 忍冬を一筋だけ沿わせてもよいかと、先に許しを求めます。

忍冬を一筋

「香が少し跳ねておいでです。差し支えなければ、 わたくしの忍冬を一筋だけ沿わせてもよろしいでしょうか、 セラフィナ様」

忍冬が触れたのは、セラフィナが守ろうとしていた香の奥ではなく、 外へ跳ねた縁だけ。 相手の領域へ踏み込まず、それでもひとりにはしない。 ルセリアの静かな優しさが見える初登場です。

この朝をつなぐもの

控えの間

椿静月一日 ざわめく絹音 苺香の滲み 忍冬香 保たれた距離 先に求めた許し 外へ跳ねた香の縁 「楽になられましたね」